デザインのクオリティと値段の関係をハッキリさせておこう
デザイナーやカメラマンで、友達から無償で仕事を頼まれたことや、友達価格でお願いされるたという経験、クリエイターの方でしたら1度はあるのではないでしょうか?
昨日はネットで「どうしてプロに無償で仕事依頼しちゃダメなのか – 原価のある、時間」という記事がバズっており、私も経験があることだったので大変同意する記事でした。まとめの部分を引用させていただくと、
プロの”技術”をタダにさせるというのは、その人がその業界で生きていくのに大事なものを軽んじる行為なだけでなく、業界全体にまで影響を及ぼしかねないことなんです。
無償や低価格でも引き受ける人がいることが広まったら、業界内での買い叩きも起こりかねない。
だから、あくまで「親しい間柄」で「特別な場合」に「好意」でする場合を除いて、プロの技術者は無償で仕事することを好まないのです。またプロだからって、否。プロだからこそ、「ちゃちゃっとテキトーに」なんてできないんです。
プロとしてのプライドなどもありますが、いい加減なものが自分の仕事として広まるのは、その”技術”が売り物だけに避けたいのです。
だから好意の無償仕事であっても、殆どの方が有償の仕事と変わらない仕事をしていると思います。
というもので、大抵のクリエイターの方は納得するのではないでしょうか。記事では、その理由をもっとわかりやすく説明しているので、発注する側の人にこそ、ぜひ読んで頂きたいと思います。
ですから、プロに無償で仕事を依頼してはいけない理由は、ご紹介した記事を読んで頂くとして、今回この記事で伝えたいのは、無償の場合も含む成果物(私はデザイナーなので特にデザインの場合で話を進めます)のクオリティと値段の関係についてです。
サバイブログでも「1000円カットとクラウドソーシングによる報酬破壊の共通点」などの記事で書いていますが、私が言いたいのはこの1点のみです。
成果物のクオリティは、価格に合わせて器用に上下させることができない。
サクッとやっても最低限の作業時間はかかる
紹介した記事では、無償の場合でもクオリティが落とせない理由は、プロのプライドや、いい加減なものが自分の仕事として広まるのは困るからと書かれていますが、それ以前に、仮に価格を半分にされたからといっても、クオリティも丁度半分にする、そんな器用なことはそもそも不可能なんです。
例えば、レストランでトンカツ定食を頼んだとしましょう。トンカツの場合なら、肉の質で、松竹梅のように値段ごとのクオリティを変えることは可能です。しかし、どの肉であれ衣を付けて揚げて、盛りつけをして、という作業に違いはありません。つまり、デザインを依頼してデザイナーに、無償だから、友達価格だから、「サクッと簡単に作ったのでいいよ!」というのは、トンカツの調理から盛りつけまでの作業を簡単にしてもいいよ!と言っているようなものです。
そんなことを言われても、その部分の作業、デザイナーでいうところのデザイン作業は、急いでやろうが丁寧にやろうが、かかる時間にそこまで違いはありません。トンカツのように、肉の質を下げれば価格が安くなるというものではないんです。
無償でお願いする場合、友達価格でお願いする場合、発注者の方にはこれだけは理解して頂きたいと思います。サクッと作っても、最低限の作業時間はそれなりにかかるんです!
無償や友達価格の仕事を円滑に進める方法
とはいっても、お付き合いで無償で仕事を受けることもありますし、相手の状況も知っていて友達価格で受けることもあります。このような場合に、受発注側の双方が円滑に仕事を進める方法は、
「発注側は修正を出さない。受注側は修正を受けない。」で終わらせるようにする。
先程書いたように、最低限の作業時間は価格に関わらずかかります。しかし、その後の修正の対応となると話は違います。普通の仕事でもあまりに修正が多い場合は(受注側の責任で無く)、修正代を請求することがあります。もしくは修正代も含めた、適正な価格で仕事をしているはずです。
つまり、価格が高ければ、こちらも修正回数が何度かあっても受けますが、無償で依頼された上に修正も何回も入ったらキレますよね!?価格を考慮して作業時間を短くするとしたら、この修正部分しかないんです。
ですから、無償の場合は特に、修正無しでお願いします。と最初に取り決めるか、あっても1回。そして、発注側に最初からイメージするものがある場合は明確に伝える。これが1番良い方法だと思います。
しかし、発注側も自分の気に入らないものが上がってきたのに、我慢して受け取るのは嫌ですよね?ですから、結局、ある程度は常識的な価格で依頼するか、それに見合うサービスをする、イーブンな関係で行うべきなんです。せっかく友達だから依頼したのに、そのせいで関係が悪くなるのも残念ですからね。
まとめ
今回、書いたのはクリエイター側のぶっちゃけた本音です。しかし、頼み方によるところも大きいと思います。何か特別なことやお店のオープンなどのおめでたいことなど、依頼された方から、「友達だしお金はいらないよ!」ということもあるでしょう。ですから、依頼者としては、そういう風に言われるような人間力を持っておくことも、1つの生きていく力だと思います。
でも、経済全体が潤うように、できるだけ仕事は適正価格で受発注したいものです。