【読書メモ】はじめて講師を頼まれたら読む本
サバイブログでは、毎回記事の最後に関連する本のリンクを貼っています。今回は「教えることで自分も学ぶ人生初の講師業」という記事を書いた時に見つけてリンクを貼った本、「はじめて講師を頼まれたら読む本」大谷 由里子(著)を早速、読み終えたので早速、読書メモを書いておきます。
スライドを配るのと授業をするのとは違う
著者は、吉本興業で横山やすしのマネージャを務めたあと、講師として活躍しつつ、講師塾も主宰している方です。随所に飽きさせずに話を聞いてもらうテクニックが満載の本で、地元の専門学校でデザインの授業を受け持つことになった自分にとっては、参考になるノウハウが数多くありました。
授業では、デザインに関しての論理やスキルを教えながら課題を制作してもらうのですが、今はセミナーのあとに使用したスライドをSlideShareなどで公開することも多く、私も自分で学習をするのに使うことがあります。
その中にはクオリティの高いものも多く、セミナーに行かなくてもこのスライドだけもらえればいいじゃん!と思ってしまうこともあります。
自分で学ぶことが明確に決まっていればそのような方法で良いのかもしれませんが、学校で授業をするというのはそういうことではありません。学ぶこと自体に興味を持ってもらい、最初にしっかりと生徒のハートをつかんで、何か面白い授業がはじまりそうだ、と思わせることが重要です。
自発的に本を読んだり、資料を見たりするのと違い、まずはその授業を聞きたい雰囲気をつくらないといけない。
単に教科書に書いてあることを板書したり、配布した資料を読み上げているような授業では、聞いてくれるわけがない、それがこの本を読み始めて最初に受けた感想というか、反省点でした。
寝ているのは講師が悪い
自分の学生時代を振り返ってみると、授業中に居眠りをしてしまった経験は…、もちろんあります。特に昼食を食べたあとの、午後一の授業などは眠たくて仕方のないものでした。
本の中でも講義を聞きながらの寝ている人がいた時の対処法がいくつか出てくるのですが、その中で驚いたのは、日本では寝ている生徒がいれば先生に注意されますが、アメリカでは眠たくなるような授業をする方が悪いということになるそうです。
著者も学生時代にアメリカにいたそうですが、そこで授業中に居眠りをしていると、先生に寝ている理由を聞かれ「英語がよくわからない」と答えたそうです。そうすると別室で英語の猛特訓が始まった、というエピソードが出てきて驚きました。
寝ている理由を聞いて明らかにする、そもそも寝ない面白い授業をすることが講師の仕事というスタンスは、目から鱗の話でした。
双方向の授業が重要
寝ている人への対処法で、そういう人がいたらいじち倒すということや、講義の本題に入る前のつかみに簡単なクイズを出すといったテクニックが紹介されています。
確かに、自分が受けた授業やセミナーでも、上手い講師の方はこのようなテクニックを使って双方向に進めていきます。人間の集中力なんて、それほど長くは持たないわけですから、延々としゃべり続けていては眠くないのはしゃべっている本人だけになってしまうかもしれません…。
講義形式の内容だと、どうしても話を聞いてもらうことが中心にはなりますが、その中でもコミュニケーションしながら進めていくための工夫が必要だと感じました。
教えることと話すことのスキルアップ
最初の授業をしてみて、デザイン力や働いてきて得た経験などはそれなりにあるとは思っていますが、それを学生が興味を持つように面白く伝えるには、良い資料を作るだけではダメなんだと感じたのが、この本を読んでみたきっかけです。
私はKindle版でこの本を購入したので、524円でゲットすることができました。この価格でこれだけの講師に関わるノウハウが学べるのか!と思うほどていねいに書かれた本です。
講演もわかりやすく面白そうな筆者の書かれた本ですから、内容も同じようにわかりやすく面白いのでページも進み、2時間もかからずに読み終えることができました。
この価格でこの時間で読めるのなら、教えることと話すことのスキルアップに、みなさんにもオススメできる1冊だと感じました。
まとめ
1冊本を読んだからといって、その通りにいくとは限りませんが、そもそもどういうスタンスで人前に立って話しているのかがはっきりするだけでも、違いは出てくるのではないかと思っています。
デザイナーはプレゼンテーションなど、人前で話す機会も多い仕事ですから、この本から学んだこともベースにレベルアップしていきたいと思います!