Macで作業をするオフィス

好きなことを仕事にした場合に1番気を付けないといけないこと

好きなことを仕事にした場合に1番気を付けないといけないこと

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私のまわりには、好きなことを仕事にしている人が比較的多いように感じます。それは、大学は美術系の大学、就職もその流れでデザイナーになったので、環境的にデザインが好きな人が多く、かつ、その好きなデザインを生業にしている人が多いためです。

しかし、このような好きなことを仕事にしている場合には、気を付けないと知らず知らずに間にブラックな労働環境を受け入れている場合があり、経営者側もそれに付け込んでいる多々あります。個人的には、本当にこのようなことは許せません。どういうことなのか、説明していきたいと思います。

米国ではパイロットよりマックでのバイトのほうが稼げる理由

先日、BLOGOSで「「米国ではパイロットよりマックでのバイトのほうが稼げる」というのは本当か?」というタイトルの記事がありました。最近、日本でもLCCのパイロット不足が問題になり、利用することがある自分に取っても気になっていたので、この記事もパイロットの給料の安さの問題の記事なのだろうと思い、目に止まりました。

記事の内容はその通りの記事で、パイロットが年収3000万円以上を稼いでいたのは過去の話で、

機長になるには副操縦士として7~10年のフライト実績を積まなければならない。それだけ苦労して人件費の安いLCCで乗務するくらいなら、待遇のいい海外のエアラインに転職したほうがマシと考える日本人パイロットは多い。

しかし、実際は海外に行ってもその状況は変わらず、給料が安いうえに過剰労働で、ファストフード店の支配人より安い程だとうのが現実のようです。そして、この記事はその理由について、端的にこう書かれています。

好きな仕事”に会社は付け込んでる

そして、さらにこのように文章は続きます。

大事な事はその数字の違いよりも40年以上続けていく仕事をどう選択するのかと、自分への投資をどうリターンさせるのかという難しい課題を突きつけていると言えるのではないでしょうか。

自分も音楽やデザインなど自分が好きな分野を仕事にしている部類であるだけに、この言葉についてはいろいろ考えさせられるものがあります。

ブラック企業でも好きだからやれるはよいことか

この記事の筆者も書いているように、デザイナーの仕事は好きでないとやっていられないという側面は確かにあります。時間がくれば仕事を終えて帰れるというわけでもありませんし、無茶なスケジュールで制作をしなければならないこともある割りには、それほど高額な給料をもらえるわけでもありません。ですから、これだけの時間働くのなら他の仕事をした方が稼げるのでは?ということは、デザイナーなら誰もが1度は思ったことがあるのではないでしょうか。

このような環境を乗り切れるパワーは、好きなことを仕事にしているからかもしれません。しかし、そうすることによって、自分自身が気付かないうちにブラックな労働環境で働かされていることを正当化し、辛くても好きなことをしているのだからと続けていたのでは、いつまで経っても労働環境は改善されないのではないでしょうか。

好きだからやれるというのは他人から押し付けられることではない

そして、もう1つ問題なのは、この好きだから頑張れるということは、自分で思っているのは良いのですが、他人から押し付けられるものでは絶対にないということです。

会社員時代に働いていた会社は、デザイン会社の割には殆ど徹夜も無く、給料も比較的高く、恵まれた環境でした。ある日、社長から「そんな環境で働けて、好きなことで飯が食えるのは幸せだ」というニュアンスのことを言われ違和感を感じたことがあります。そして、デザイナーの労働時間の話をした時も、「デザイナー何だから仕方がない、好きなことを仕事にしているだから良いだろう」というような発言を聞いたことが何度かあります。

勿論、この場合は相手は悪意がこのようなことを言っているわけではありませんが、他者から「好きなことをしているのだからやれるだろう!」と言われるのは明らかに洗脳のようなことで絶対にやって良いことではありません。私がなぜ、ここまで強くそう主張するのか、それはこういう問題がそこには含まれているからです。

好きかどうかに疑問を持った瞬間にこのシステムは崩壊する

好きだから遅くまで働ける、好きだから徹夜しても大丈夫、好きだから安月給でも我慢する。

それでは、好きでなくなってしまった場合、もしくは自分はこの仕事が好きかどうかがわからなくなった場合はどうなってしまうのでしょうか?この好きだから我慢して、頑張ってこれたシステムは一気に崩壊します。

デザイナーは、うつ病などの精神疾患を患ってしまう人が比較的多い職業のように感じます。これは、イメージだけでは無く自分のまわりや友人の職場の話を聞いても言えるのことなので、間違っている印象ではないでしょう。一般的にはこのような場合の主な原因は「過労」だと言われますが、私はもう1歩突っ込んで考えると、過労というよりも、好きだから頑張れるシステムの崩壊によるところが大きいように感じます。というのも、好きだから頑張っている時には、実際に頑張れるため、3徹などもハイテンションで乗り切れてしまうのも事実だからです。勿論、それは体にダメージを残すことですし、そんなことが頻繁にあれば過労でうつになるか、倒れてしまうのは確かでしょう。しかし、メンタルの影響は想像以上に大きいので、自分は本当にこの仕事が好きなのか?と疑問を抱き始めたら、気を付けた方がよいかもしれません。

デザイナーは好きで乗り切れる仕事なのか

一見華やかに見えるかもしれないデザイナーの世界ですが、実際に入ってみると、どんなデザインの仕事をしているかにもよりますが、地味で泥臭い仕事です。「私はデザイン好き?」と聞かれたとしたら、「別に好きじゃない」とはっきりと答えます。

誤解の無いように書いておきますが、それは別に嫌々やっているとか、嫌いだということではありません。自分が効率良く稼ぐスキルとして、デザイン力というものを持っているのでそれを最大限に活かして生きていきたいと思っているだけです。個人的な意見ですが、デザインはその特性上、好きに絵を描くように暇さえあれば無意識のうちにやってしまうということではありません(少なくとも私は)。仕事の依頼やデザインの力で解決できる問題と直面した時に、できる限りのデザインをするというイメージです。ですから、好き嫌いで判断が付くようなものではありません。

ただ、まわりのデザイナーに聞くとどうやら違うようで、みんなデザインが好きと答えます。そういう意味では私が変わっているのかもしれませんし、一般的に見れば私のような考えでも、デザインが好きな人に十分に見えているのかもしれません。

しかし、はっきり言えるのは、仕事として続けていれば必ず好きなだけでは乗り越えられないことに直面します。好きなことを仕事にしている人には、このようなリスクが必ずあります。その時、どう対応するのか、その自分なりの方法をしっかりと持っておくことも、好きなことを仕事として続けるための大きなポイントではないです。

久々に、怒りを感じた「”好きな仕事”に会社は付け込んでる」というトピックスから記事でしたが、書いてスッキリしました。是非、他のデザイナー、クリエイティブ職の方の意見も聞きたいです。