ベビーシッター事件で感じたクラウドソーシングとのサービスの相違点
ベビーシッター宅での2歳児死亡事件。昨日はこの事件を通してネット上のビジネスマッチングサービスの問題点について考えました。
そして、その問題点を考えると、ベビーシッターのマッチングサイトと、デザインやライティングなどのクラウドソーシングで、業界は違うものの共通の問題点が見えると同時に、このようなサービスの良い点もわかりました。
サバイブログでのまとめとしては、「ネット上でのビジネスマッチングは、安価でサービスを提供出来るため便利な反面、クオリティも千差万別で受注側としては仕事の単価安くなる。」としました。
今回は昨日とは逆に、同じネット上でのビジネスマッチングであるのに、業界が違うことによって問題となる相違点に注目してみました。
クリエイティブは常に最高のものを望んでいるとは限らない
クラウドソーシングの仕事で多いのものを見てみると、デザイン系ではロゴやチラシ、ランディングページのデザイン。ライティング系では商品のレコメンドや体験談の文章が目立ちます。
クラウドソーシングは案件の価格が安価になる場合が多いということは、昨日の記事でも書きましたが、先程の上げたような仕事内容が多く、業界の相場よりも安いと感じる場合が多いのが事実です。
しかし、その内容を具体的に見てみると、デザインであれば新規に立ち上げた企業やプロジェクトのものが多く、ライティングも生活の小ネタのようなものが多いと気付きます。
これらの場合、デザインであっても文章であってもそれほど予算は無いはずです。きっちりとしたCI(コーポレート・アイデンティティ)を何十万、何百万も出して作りたいわけでは無く、新しく起業するのにロゴも無いのは格好悪い。そんなに安価なコンペでも多くの提案をしてもらえて、好みのロゴが作れるならお願いしてみよう。という感じが今のデザイン系のクラウドソーシングでの多い案件の雰囲気です(ただし、作る側としては2万と10万で2万なら5分の1の力の入れ具合で作るというような器用なことはできませんので、一生懸命つくるしかありません)。
勿論中には会社の何十周年で新しいロゴを募集するので10万などというものもありますが(それが高いか安いかはさておき)、発注者にとっては、そんなに高額を出さなくてもロゴや文章をつくることが出来て、仮に良いものが仕上がらなくてもそれほど大きな出費にならないという意味では、需要と供給のバランスがとれていなくもない。というわけです。
人の面倒を見るのは同じようにはいかない
しかし、安価だから仮に良くなくてもそれほどの出費にならないという感覚は、今回のベビーシッターの場合には当てはまりません。
質とコストの面を見たら、企業のやっているベビーシッターサービスにお願いした方が、価格が高い分ちゃんとした方が面倒を見に来る(可能性が高い)。しかし、今回のような安い個人のベビーシッターにお願いしなければいけない場合もある。しかも、そのようなケースはシングルマザーが増えれば、さらに増えることが予想される。そういうことを考えると、クラウドソーシングのように価格の安いサービスが求められているが、安いからといって一概に質を落として良いのか。ということが大問題になってきます。
これから人と人のビジネスマッチングの需要は増える
この大きな問題の解決方法は、最低限の品質管理は必要。ということで良いのでしょうか。正直、今、明確な改善策を私は提示することはできません。しかし、個人のベビーシッターのような人と人とを結ぶビジネスマッチングは、高齢者介護などを考えても需要があるのではないでしょうか。
高齢者と近所にいる若者をネット通じてマッチングさせるようなサービスがあれば、介護の問題と雇用の問題の両方を解決させるきっかけになるかもしれません。保険の適応などの問題もあるので、簡単に進んでいくようなことではありませんが、ネットのマイナス面を指摘するだけでなくプラスの面をより活かすアイデアがより重要になってくるはずです。