氷河

【映画メモ】スノーピアサー/世界観には引き込めれていくが…

【映画メモ】スノーピアサー/世界観には引き込めれていくが…

スノーピアサー [Blu-ray]

公開前から話題になっており、気になっていたアメコミが原作で『グエムル-漢江の怪物-』の監督、ポン・ジュノ監督作品『スノーピアサー』をやっと見たので感想を書いておきます。

斬新な世界観に引き込まれていく

まず、Amazonで書かれているストーリーを見てみるとこのように書かれています。

2014年7月1日、人類は突如として絶滅の危機を迎えた。
地球温暖化を食い止めるために散布された冷却物質は地球に氷河期をもたらし、永久機関を持つ列車「スノーピアサー」に乗り込んだ人々だけが生き残りに成功する。
それから17年後の2031年。
「スノーピアサー」の乗客は前方車両の富裕層と後方車両の貧困層とに分けられ、
「富裕層によって過酷な支配を受ける貧困層はカーティスをリーダーに、平等な社会を、そして人間の尊厳を取り戻すために革命を起こした―。

温暖化を止めるための物質が効きすぎて、氷河期になって外で生活できないので、みんな列車「スノーピアサー」に乗って生きている、というよく考えると無茶苦茶な話ではありますw

しかし、その限られた空間で生きる貧困層と富裕層のギャップは、現代を風刺しているような世界観でリアルに描かれており、血を流しながらの革命を起こした貧困層が先頭車両にたどり着いて革命を起こすことができるのか、気になって飽きることのない120分の映画でした。

エンタメ度がイマイチ低い

アメコミが原作とはいえ、ポップでコミカルに描かれた世界観ではなく、スノーピアサーの世界は始終ダークです。そして、同じようにダークな世界観のアメコミが原作の映画といえば、真っ先に思い浮かべるのがクリストファー・ノーラン監督の『バットマン』シリーズではないでしょうか。

これまでのバットマンシリーズとは違い、完全に現在のニューヨークを風刺したようなゴッサムシティーを舞台に起きる戦いは、現実以上にリアルでヒーローの苦悩などを内包したまさにダークなアメコミ映画です。

しかし、そのスケール観やストーリーの壮大さで、十分にエンタメ作品としても見れると思うのですが、スノーピアサーはイマイチ地味なんです。もう少し貧富の差が派手に描かれていたり、ダーク路線な主人公の過去のトラウマやそこから生じる苦悩を掘り下げていけばもっと面白かったように思うのですが、淡々と進んでいきます。

大どんでん返しも用意されていますし、驚きましたが、すっと納得できすぎてしまう感じでした(見ていただければ、言いたいことはわかってもらえると思います。)。

謎はなく疑問が残って終わってしまった

最後まで見て、スノーピアサーの謎はすべて解けます。しかし、ラストシーン、そのあとどうするの!?という疑問が湧いてきます。

多分、ハッピーエンドとかバッドエンドとか、そういう問題ではなく、新しい世界のスタートというようなことを象徴していると思うので、ツッコミを入れても仕方がないのですが、スッキリはしません…。

でも、『グエムル-漢江の怪物-』の時もそんな感じ終わり方だったので、そういう感じの監督なんでしょう。

まとめ

このような感じの映画なので、レビューは真っ2つに分かれています。ハリウッドエンタメ系の映画を期待した人の評価は低く、ダークで風刺的な映画が肌に合う人の評価は高いです。

私も嫌いな映画ではありませんし、飽きずに十分に楽しめました。でも、もっと尺を長くしても良いので、ポイントポイントを深くえぐって描いて欲しかったです。

気になった方は、ぜひ見てみてください!

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