【実録】実家フリーランサーの親との関係
私のまわりや知り合いで、フリーランサーの人は多くいますし、実家住まいの人もいますが、実家でフリーランスで働いている人となると、思いつく限りではいません。自分も最初は、地元にUターンしてもせめて松山に住もう、十年以上も一人暮らしをしていたので、今さら親と同居というのもなぁ…、と思っていました。しかし、東京から戻るに当たり、いきなり一人暮らしをするには安定した売上の当てもなかったので、とりあえず実家に戻ることにしました。
そして、今でもそのまま実家住まいで、そろそろ半年近くになろうとしています。食事をはじめ、家事全般は親にやってもらえるのと、家賃や公共料金を考えると支出もかなり抑えられるのでメリットはかなり多くあります。しかし、そうはいっても、もう自分の年も30過ぎ…、色々と親との同居、しかも実家で仕事もするとなると問題も出てきます。今回は、そんな環境で感じる実家フリーランサーのリアルをお伝えします。
家に他の人がいるのに慣れない
一人暮らしが長かったからか、未だに慣れないのがこれです。東京ではずっとマンション住まいだったので、騒いでいなければ隣の音は聞こえません。一軒家って、こんなに音が筒抜けで聞こえるんだ!?というのは、久々に実家で生活してみて驚いたことです。
一人暮らしで好き勝手に暮らしていた期間が長いと、これは結構ストレスになります。親に取っては、高校時代の実家に住んでいた頃と変わらないでしょうから、ノックをすぐなりすぐドアを開けられたり(ノックの意味無いじゃん…)、家庭ならそんなもんだよね、とわかっていながらも最初は鍵でも付けようかと思いました。しかし、今ではノック後の間ができてきたので、程よく慣れてきたような気もしますw
実家で仕事をすることの難しさ
両親に取っては家は生活の空間です。しかし、私に取っては7、8割くらいは仕事の空間でもあります。このことを理解してもらうのは、かなり難しい問題です。先程の音が筒抜けという問題にもつながりますが、普通に生活をしているし、会話もするわけで、それが聞こえてくるのは仕方がありません。嫌なら出て行きなさいという話です。
もちろん、会社でもオフィスにいるのは自分だけではありませんから、他人の話し声くらいは聞こえてくるのですが、仕事をしている時に全く関係のない(プライベートな)話が聞こえてくるのは、本当に気が散ります。あとは、Skypeなどで打ち合わせをしている時に、ご飯ができたから呼ばれたりするのも嫌ですね。しかし、親からしたら冷めないうちに食べなさいということで、そりゃ呼びますよね。
こういう細かいことが実際に生活してみると、次から次に表れてきます。
職業柄働いているかがわかりづらい
実家住まいで会社勤めをしている人との違いは、実家に仕事部屋があるため、基本的に出勤がありません。親からすれば朝起きて、食事とお風呂の時以外は家にいる時はずっと部屋に閉じこもっているようなものです。しかも、部屋にいるからといって、ずっと働いているわけでもないので、それも難しいところです。
父親には、「たまには休め」と言われ、母親には「ずっと仕事してわけじゃないでしょ」と言われます。何とも言えないばつの悪さがあります…。とりあえず、フリーランスとかいってもそう甘いもんじゃないでしょうということと、安定しないという印象はあるらしく、そのうえ、どのくらい仕事をしているかがわかりづらいので、親としての不安もあるようです。
折り込み広告の求人を進められる
地元でに新しく工場ができるようで、結構な人数を募集している折り込み広告が、定期的に入ってきます。先程、書いたように親から見れば私はどの程度働いているのか、なぞなので冗談なのか本気なのか、際どい路線で求人を進められますw
こういう広告や、バイトのチラシなどを見て、田舎の賃金の相場を知ることは面白いですが、都会に比べると物価は安い分、労働の賃金は驚く程安いので働く気にならないのは「愛媛の有効求人倍率と私がフリーランスを選んだわけ」でも書いた通りです。
まとめ
元々両親に、殆ど仕事の話はしたことがありませんでしたが、上京して、美術系の大学に通い、新卒で入った会社でずっとデザイナーとして働いていたので、親としても自立してやっているのだろうと安心していたはずだと思います。
実家に戻ると決めた時も戻ってからも、まわりからはそれだけで親孝行だとも言われましたが、親の望む形で実家に戻ってきたわけでもないので、結婚して親と同居して、子供もいてという状況と、突然帰って来て実家でフリーランスで働き始めたのでは、親もどう接すれば良いのかだいぶ変わってくるでしょう。
30過ぎて実家に住む場合は、子供がいるかどうかで親との関係は大きく違います。子供がいれば親からしても、自分の息子でもあるのと同時に子供の父親でもありますから、お互いに年相応の接し方ができますが、子供がいないとお互いに年は取っているのに、その関係性は自分が子供だった頃とあまり変わらないようにも思えます。しかし、実際はこちらもおっさんなわけですから、それだと何かバランスが崩れているような感覚があり、それが自分に取っても、両親に取ってもストレスになります。
特に田舎だと自分と同い年くらいの人は、殆ど結婚していて子供もいるので、尚更そうなってしまいます。東京だと感じませんが、上手く年が取れていない感覚とでもいえば良いのかもしれません。
そういうわけで、ということでもありませんが、やはり、実家フリーランサーは期限を区切って次のステップに進むべきだと思います。それはうちがデザイナーの仕事をするには田舎過ぎるということもありますし、地元にクライアントができた場合に打ち合わせもできないようなところで作業場を構えているのもどうかと思うなどの理由があります。実家の仕事場は仕事場で残しておいて、松山にでも一人暮らしと仕事ができるスペースを借りて、ある程度実家と行き来するくらいの距離感が良いのではないかと思っています。
当面は松山で一人暮らしできるぐらいは稼ぐことを目標に、やっていきたいと思います!